sikkouyakuin1118’s blog

薬局実務実習の進め方2019

物流センター見学研修

わたくしの薬局の実務実習では恒例となっている、医薬品卸様の物流センター見学研修を先日、行いました。

 

 

新コア・カリの学習項目でいうところの

 

(5)地域の保健・医療・福祉への参画

   ④災害医療と薬剤師

 

の部分に関する学習です。

 

チェックポイントSBOs

SBOs1058;(前)災害医療について概説できる。

SBOs1059;災害時における地域の医療供給体制・医療救護体制について説明できる。

 

この項目に対する「評価」は、実務実習記録(振り返りレポート)により行います。

 

ルフレッサ株式会社様の物流センターにお願いして、物流の仕組み、災害時の役割、医薬品の管理に関する講義を受講し、その後、センター内を案内してもらいます。

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センター内は、24時間フル稼働で精密な温度管理がなされており、それほど気になりませんが医薬品を流すレールの騒音もあるのでイヤホンを使用してセンター内の説明を聴講します。

 

1Fは、メーカーからの医薬品の入庫、各支店(25支店を管轄)への出庫を行う倉庫

 

メーカーから搬送された医薬品は、コンテナごと一旦2~3Fの保管倉庫に全自動で運び込まれます。

 

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日本の医薬品物流システムは「毛細血管型」物流システムといわれ、非常にきめ細かいシステムと言われています。

全ての医薬品は、バーコードで管理されておりなるべく人の手を介さずに自動管理化されています。梱包、ピッキングなど人を介して行う作業はどうしても過誤の原因になってしまうそうで、機械を介した作業ではミスは「ゼロ」だという事です。

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新規で入庫される商品は、こちらの「Part Scan PS-450」という識別機械で大きさなどを自動計測してバーコードを発行して管理していくことになります。

 

1日2便、物流センター近郊は1日3便を毎日、正確にピッキング、梱包して管轄する25支店に遅れることなく配送するシステムとなっています。

ちなみに、このシステムにより非常に制度の高い管理をしているため、出荷精度は99.999%だそうですから驚きます。

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得意先ごとに分類する作業レーン

およそ95%が医療用の医薬品であり、約65%(2017年)がGE品の比率となっているそうです。また、得意先はおよそ50%が薬局となっており昨今の医薬分業の進捗状況を反映している数値となっています。

 

災害時には、緊急で他の地域への配送を行う体制が必要なのでヘリポートも用意されており、いつでも災害地へ配送できる体制も整えられていました。

阪神淡路大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)の時には、災害時を想定したヘリポートを用意していなかったそうで、空港まで陸送する手間が余分にかかってしまい苦労したことを教訓にしたそうです。

また、ヘリポートだけではなく自動発電設備を完備して災害時の停電にも必要な電力を確保できる体制が整えられています。さらに、災害時にもつながりやすいと言われている衛星電話も整備しており、広域災害などの緊急時にも通信手段が確保されていました。

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普段は見ることができない物流センターの見学会は実習生にも好評で、薬局で取り扱う医薬品がどのようにして納品されるかを知るいい機会となります。

また、医薬品卸売業者様の社会インフラ整備に対する責任の大きさと、その重要性を理解することができる研修となります。

物流センターを見学すると、医薬品卸売業者様の偉大さを感じ、毎日配送に来ていただける配送員の方やMSさんに少し優しくなれる経験だと感じます。

実習生だけでなく、薬局スタッフにも見学させたい物流センターでした。

今回、お忙しいにも関わらずご対応いただいたセンター長、管理薬剤師の先生をはじめ、担当MS様、アルフレッサ株式会社様には厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。