薬局実務実習11週間(55日)17日目のスケジュール
薬局実務実習11週間(55日)17日目の
スケジュール
実務実習も第4週目に入りました。すべての過程が11週間(55日)なのでおよそ3分の1が終了したことになります。
今年から、連休も実習期間に入れたスケジューリングになっているので、実質は55日間も実習期間がありません。2019年の第Ⅰ期(2月25日~5月10日)はゴールデンウィークが10連休なので49日しか実習期間が無いことになります。
実習生も薬局の雰囲気や業務に慣れてきた頃なのでそろそろ服薬カウンセリングの技能を学習させたい時期です。ここまでにも当然指導薬剤師が服薬カウンセリングを行っているのを調剤室から見学しているとは思いますが、詳細な会話は聞き取れていないとおもわれますので、この週くらいからは患者様の許可を得て会話を把握できるくらいの距離で見学していただき、話術や雰囲気を習得してもらう時間を作っていきたいですね。しかし、見学だけでは実際に行う能力は身に付きにくいので、OSCEのように指導薬剤師や事務スタッフの協力のもとロールプレイングをして練習するといいでしょう。薬学的知識があっても実際に言葉に出して指導することの難しさをロールプレイで体験できるといいですね。
【17日目】第4週2日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P206 SBOs995
医師への報告書の作成
AM2 P209 SBOs1038
医療従事者への情報提供
PM1 P313 SBOs935
計数調剤(軟膏・水剤・散剤)
PM2 P321 SBOs954
服薬指導(見学・ロールプレイ)
PM3 P406~407 SBOs952
カウンター実習
SBOs995;薬物療法に対する問い合わせに対して、根拠に基づいた報告書を
作成できる。(知識・技能)
SBOs1038;地域医療を担う職種間で地域住民に関する情報共有を体験する。
(技能・態度)
SBOs935;処方箋に従って、計数・計量調剤が出来る。(技能)
SBOs954;医師の治療方針を理解したうえで、患者への適切な服薬指導を
実践する。(知識・態度)
SBOs952;患者・来局者に合わせて適切な対応ができる。(態度)
SBOs995;薬物療法に対する問い合わせに対して、根拠に基づいた報告書を
作成できる。(知識・技能)
薬局から医師への報告書といえばどんな報告書があるでしょうか?
保険請求上の観点から調剤報酬が発生する報告書がいくつかあります。
・服薬情報等提供書
医療機関からの求めがあった場合 30点
患者・家族との求めがあった場合
又は、薬剤師がその必要性を認めた場合 20点
・服用薬剤調整支援 125点
6種類以上の内服薬が処方されていたものについて、処方医に対して
保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類
以上減少した場合に、月1回に限り算定する。
・在宅患者訪問薬剤管理指導 650点(個宅)320点(2~9人)290点(その他)
在宅で療養を行っている患者で、
通院が困難なものに対して、
医師の指示に基づき、
薬剤師が薬学的管理計画を策定し、
患家を訪問して薬学的管理及び指導を行う
(算定要件)地方厚生局への届け出
訪問前に「薬学管理計画書」を策定(月1回見直し)
患家にて薬学的管理指導を実施
処方医に文書で情報提供を行う(必要に応じて関係職種にも)
・その他、医師への情報提供が必要だと薬剤師が判断した場合 0点
服薬治療中の患者様で、服用中の経過を観察している保険薬剤師が医師に報告
しておいたほうが患者様のQOL向上につながると感じた時に文書で報告。
(例)
・医師には言いにくいけど、薬局では話してくれた事
・残薬や体調の事で、次回受診日までに医師にあらかじめ伝えておいた
ほうが有益だと感じる情報
など
SBOs935;処方箋に従って、計数・計量調剤が出来る。(技能)
日常業務の中で、「医薬品の調製」は毎日、参加・体験していると思います。業務の「質」を上げていきたいので、徐々に難易度の高い調剤業務にも挑戦させていきましょう。いわゆるピッキング業務は並行して行いながら、
・軟膏の混合
・水剤の混合
・散剤の計量・混合
など、調剤器具や分包機を使う調剤業務にも取り組んでいただきます。
分包機も、薬局によっては「円盤型」のものや「Vマス型」のものがありますので印字機能を適切に作動させたり、散剤を均一にならすヘラの使い方のコツを習得する技能も大切な薬剤師の能力となります。
SBOs1038;地域医療を担う職種間で地域住民に関する情報共有を体験する。
(技能・態度)
まだ4週目ですが、【4】チーム医療への参画に関するSBOsが出てきました。内容としては、
地域包括支援センターや、保健所などを通して地域で連携して行われている医療、介護、福祉の実際を確認するとともに、出来るだけ実際の活動を体験する。
となっています。
高齢者が自分が住み慣れた地域で、尊厳ある暮らし、その人らしい暮らしを
続けて行くためには様々なサービス(医療、福祉、介護)を高齢者の状態の変化
に合わせて切れ目なく提供することが必要になります。高齢者が心も体も健康で
あり続け、安定した生活を送るために必要な援助や支援を包括的に行う中心的な
機関となるのが地域包括支援センターです。
主な業務;① 総合相談・支援、虐待防止・権利擁護
② ケアマネジメント
介護支援専門員(ケアマネージャー)への支援・ネットワーク
づくり
③ 認知症見守りの事業の推進
④ 介護予防事業、介護予防ケアマネジメント
実務実習では、地域包括支援センターを中心としたこのような取り組みに対して薬局がどのような役割を担えるのかを学習していただくことになりますので、まずは、知識として地域医療とその関係職種に関して整理しておくといいと思います。
地域の高齢者の暮らしを支える職種は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者だけでなくケアマネージャーや介護士なども重要ですが、最近では地域を「見守る」という観点から、郵便局員や交番の警察官なども地域の会合に呼ばれる事が多いようです。