薬局実務実習11週間(55日)7日目のスケジュール
薬局実務実習11週間(55日)7日目の
スケジュール
7日目になります。
実務実習の最初の数週間は、
(1)薬学臨床の基礎
(2)処方箋に基づく調剤
医薬品の調剤
処方監査・完全確保
服薬指導
(3)薬物療法の実践
の項目を横断的に実務実習に取り組んでいきましょう。実習生のパフォーマンスレベルが上がってきたら、より高度で難易度の高いレベルの業務にも参加していただくように意識していけるといいですね。そして、それぞれの項目を横断的に参加・体験していき4段階のレベルの中で3段階くらいまで到達したら、そのパフォーマンスを応用して参加・体験する項目である、
(4)チーム医療への参画
(5)地域の保健・医療・福祉への参画
も含めた実務実習へと推移していきましょう。
(1)薬学臨床の基礎、に関しては5年生になるまでに既に大学でも多くの学習をしてきているので現場でのさらなる学習、再確認も必要ですが、このあたりで一度どのレベルに到達しているのかを評価してもいいと思います。その概略評価表が例示されていますので下記に記載いたします。今、実習生のレベルがどの程度なのかを評価してみてください。
GIO(一般目標)
医療の担い手として求められる活動を適正な態度で実践するために、
薬剤師の活躍する臨床現場で必要な心構えと薬学管理の基本的な
流れを把握する。
アウトカム(学習成果)
生命の尊厳と薬剤師の社会的使命を自覚し、倫理的行動をする。
医療関連法規を遵守して、薬剤師の責任を自覚する。
パフォーマンス(学習目標)
SBOs885~SBOs909
概略評価
1段階;薬剤師としての義務及び個人情報保護に関して留意している。
2段階;生命の尊厳を意識し、他者の人権を尊重する。
薬剤師としての義務及び法令を遵守する。患者・生活者の
プライバシーを保護する。
3段階;患者・生活者の視点に立つ。
日常の学びを振り返り記録し、省察する。
4段階;患者・生活者に寄り添い、患者・生活者の利益と安全を最優先して
行動する。
医療の中で薬剤師に求められる責任を自覚し、自らを律して行動
する。さらなる患者ケアの向上に向けた自己啓発を行う。
4段階のレベルは、われわれ薬剤師も目標とするレベルですので実習生に求める必要はありません。これまでの5年間の薬学部での教育と実務実習を通して3段階のレベルに到達していれば、この項目に対する教育は問題なしという事になります。もし、2段階のレベルにしか到達できていないようなら、指導薬剤師は実習生の足りない部分をフィードバックして3段階に到達するように促していきましょう。
【7日目】第2週目2日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P304 SBOs947
処方箋の受け付け、医療人としての態度、
話ができる工夫、服用上の問題点の把握
AM2 P105 SBOs973
毒劇物取り扱いの説明、
規制医薬品の取り扱い説明と保管方法の説明
PM1 P202 SBOs997
医薬品の情報収集、添付文書からの情報収集
PM2 P207 SBOs995
安全性情報報告書の作成
PM3 P310 SBOs928、937
計数調剤
SBOs947;(前)患者・来局者に、主な医薬品の効能・効果、用法・用量、警告・
禁忌、副作用、相互作用、保管方法等について適切に説明できる。
(技能・態度)
SBOs973;(前)特にリスクの高い代表的な医薬品(抗悪性腫瘍薬、糖尿病治療薬
使用制限のある薬など)の特徴と注意点を列挙できる。
SBOs997;安全で有効な薬物療法に必要な医薬品情報の評価、加工を体験する。
(知識・技能)
SBOs995;薬物療法に対する問い合わせに対し、根拠に基づいた報告書を
作成できる。(知識・技能)
SBOs928;(前)後発医薬品選択の手順を説明できる。
SBOs937;一回量(一包化)調剤の必要性を判断し、実施できる。(知識・技能)
新コアカリでは、実習生になるべく早い段階から患者様に接する機会を作ってほしいと大学側からの要望もあります。とはいえ、2週目からいきなり薬学的な患者様へのアプローチはハードルが高いので、わたくしは、最初は処方箋の受け付け業務に従事してもらうことが多いです。店舗に給茶機などがあれば、カウンターの外での接客、接遇業務でもいいですね。とにかく、患者様に接することにチャレンジしてもらいコミュニケーションの取り方を実践で学んでいただきます。アルバイトなどで接遇を経験している学生は、こちらの想像以上にうまく対応してくれますので驚くこともしばしばあります。心強い限りです。
SBOs997;安全で有効な薬物療法に必要な医薬品情報の評価、加工を体験する。
(知識・技能)
患者様にお渡しするお薬手帳や、薬情は簡単に加工できますので実際に加工してもらうことがあります。以前、実習生でお薬手帳をもっと活用できないかと考え、成果発表会の課題にした学生もいます。多くの場合、お薬手帳には処方された処方箋医薬品の情報をシールにして貼るだけになってしまっています。この実習生はそれだけでは勿体ないと感じたようで、患者様に有益な健康情報を作成して医薬品の情報に追加して貼付する事を提案してくれました。例えば、血圧が高い方の食事のレシピとか、脂質異常症の患者様に気を付けて頂きたい健康アドバイスなどを絵などを交えて作成してくれました。既に、実施している薬局もあると思いますが学生からの提案としては高いレベルの提案だと感心しました。
また、最近は各医薬品メーカーから様々な気の利いた患者様用の指導せんが作成されていますのでそれを取り寄せて患者様ごとに加工するのも大切な体験になると思います。
SBOs928;(前)後発医薬品選択の手順を説明できる。
患者様に後発医薬品を提案することは保険調剤薬局の重要任務であり、変更可の処方箋や一般名処方の医薬品に関しては積極的に後発医薬品を提案することが保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)に記載されています。
(第8条第3項 調剤の一般的方針)
後発医薬品への変更調剤を行うに当たり、保険薬局の保険薬剤師は、当該保険薬局において当該後発医薬品を選択した基準(例えば、当該後発医薬品に係る薬価、製造販売業者における製造、供給、情報提供に係る体制及び品質に関する情報開示の状況等)を患者に対して説明すること。
一般名処方が行われた医薬品について、原則として後発医薬品が使用されるよう、患者に対し後発医薬品の有効性、安全性や品質について懇切丁寧に説明をした場合であって、後発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。