薬局実務実習25日目 チェックポイント
薬局実務実習25日目 チェックポイントと学習内容
本日で5週目が終了となります。
実習生の行う業務の「質」も徐々に向上してきている頃です。
慣れてくると出てくるミス・過誤もありますので、引き続き、気を引き締めて実務実習を行っていきたいです。
実習生を見ていると、良い事ですが、ミスをすると非常に落ち込む実習生が多いですね。薬剤師も人間ですので、ミス・過誤をすることもありますが薬局というチームの中で、それぞれが互いに補い合って、患者様に迷惑がかかる前にミス・過誤を発見して健康被害を未然に防ぐシステムを構築して良ければいいと思います。
ミス・過誤から学ぶことも多いので、指導薬剤師は落ち込んでいる実習生を上手く元気づけてあげましょう。
「人のふり見て。。。」ではありませんが、薬局薬剤師を長くやっていると色々なミスや過誤に遭遇します。
最近、遭遇したありえない事ですが、、、
閉店間際に来局された患者様に「麻薬」処方がある処方箋を受け付けました。頻度が多いわけではないので、わたくしを含め店舗にいる全スタッフが少し気を引き締めるのがわかりました。
処方箋を確認すると、記載には不備はありません。調剤するのに疑わしいところもありませんので、調剤を始めました。
処方箋には、「フェントステープ2mg」、「アンペック坐薬10mg」の記載がありましたが、どちらも店舗に無い医薬品でした。
患者様(代理の方)に、丁寧に欠品の事実をお伝えすると、
「仕方がないことだから明日でいいよ。」
と、ありがたいお言葉を頂きました。
麻薬の納品は、卸売業者さんの支店に在庫があっても管理が厳重ですので、納品が午後になることが多いため、患者様にも明日の午後に自宅に配達に伺う約束をしました。
幸い、支店に在庫があったので予想通り、翌日の正午ごろには納品できるという段取りとなり、薬局のスタッフも一安心です。
さて、翌日になり朝礼でも確認をして、納品され次第、配達に行くことになりました。
医療用麻薬ですので、管理者であるわたくしは「麻薬譲受証」を準備してその時を待ちます。通常の外来も始まり、午前中はそこそこ忙しく時間が過ぎていきました。
ふと、配達を約束した担当の薬剤師が、12時ごろになっても約束の麻薬が納品されないのに気づき、
「医療用麻薬、まだ納品されませんね。」
と、痛みを抱える患者様に早く医薬品を届けたい気持ちを抱かせながら心配しています。
わたくしも、ふとまさかとは思いながら不安になり、
「一度、念のため確認の電話をしてもらってもいいですか?」
と、お願いしました。
卸売業者に確認の電話をすると、担当者はすでに医療用麻薬をもって向かっているので、一度担当者に確認して、折り返し連絡しますとの事でした。
しばらくして、担当のMSさんから連絡があり、焦った申し訳ない声で、
「先生、すいません!麻薬なんですが、
間違えて門前の医療機関へ納品してしまいました。」
と、いうではないですか!
こちらは、患者様との約束もあるし、医療用麻薬だし、いち早くお届けしたいのに
まさに、ありえないことが起こってしまいました。
普通の医薬品であれば、直ぐに薬局のスタッフが取りにって事なきを得るんですが、「麻薬譲渡証」と「麻薬譲受証」が必要ですし、薬局として勝手に動くのは法的にも良くないと思い、MSさんの対応に任せることにしました。
MSさんが直ちに医療機関に(誤配送のため)返品に行ったようですが、検品時に「封かん」を開封してしまっていたため、もはやその麻薬はわたくしの薬局へ納品ができません。
この時、すでに13時を回っており本日中に再度、薬局に麻薬を納品できるのかも確認できない状態です。
わたくしは、その時、怒りはなく
「MSさん、事後処理大変だろうな。」
と、同情しかありませんでした。
それと共に、日ごろから、さらに気を引き締めて全ての取扱い医薬品を麻薬だと思って厳重に管理・取扱いしなければならないと感じました。
(まあ、このMSさんは麻薬でコレだから、アレなんですけど)
幸い、その日のうちに注文した医療用麻薬が夕方に無事届いたので患者様への迷惑は最小限に留めることが出来たので良かったですが、あり得ないことも起こるもんだなあと自分が当事者だったら冷や汗では済まない恐ろしい経験でした。
(納品に応じる、医療機関もアレですけど。。。)
実習生にも、11週間いろいろ経験させたいですが、このようなことが無いように指導者としては注意していきたいと思う出来事でした。
【25日目】第5週5日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P307 SBOs919
疑義紹会の行い方
AM2 P304 SBOs909
処方箋の受付、医療人としての態度、話ができる工夫、
服用上の問題点の把握
PM1 P406~407 SBOs952
カウンター実習
PM2 P321 SBOs947
服薬指導(見学・ロールプレイ)
PM3 P310 SBOs934
計数調剤
SBOs919;(前)処方箋に基づき疑義照会ができる。(技能・態度)
SBOs909;来局者の調剤に対して、処方箋の受付から薬剤の交付に至るまで
継続して関わる事が出来る。(知識・態度)
SBOs952;患者・来局者に合わせて適切な応対ができる。(態度)
SBOs947;(前)患者・来局者に、主な医薬品の効能・効果、用法・用量、
警告・禁忌、副作用、相互作用、保管方法等について適切に説明できる。
(技能・態度)
SBOs934;適切な手順で後発医薬品を選択できる。(知識・技能)
実務実習も中盤になり、業務の「質」と「量」が増えてきます。
実習生には、
「調剤室の中の業務」
ピッキング、計量、混合、一包化など
「調剤室の外の業務」
接遇受付、カウンセリング、OTC販売、受診勧奨など
「薬局の外の業務」
在宅、チーム医療、学校薬剤師、健康サポート、学会参加・発表など
と、順番に難易度が上がっていく事を説明します。
また、業務を参加・体験させるときには、いま習得しているパフォーマンスの詳細が、「知識」を求められているのか、「技能」を求められているのか「態度」を求められているのかを意識してもらうようにもお話しします。