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薬局実務実習の進め方2019

薬局実務実習28日目 チェックポイント

薬局実務実習28日目 チェックポイントと

学習内容

 

 本日の学習目標は、服薬指導とそれに伴う情報収集能力に関するチェックポイントばかりです。

 

新モデル・コアカリでは、参加・体験型の実習を目指しているので出来るだけ早い段階から患者様と接する機会を作るように意識しています。

 それには、十分な「知識」と「態度」が必要ですので現場の業務と並行して添付文書などから必要な知識の習得を実習生に投げかけていきます。

 

 

    【3】薬物療法の実践 患者情報の把握 概略評価表

患者情報の把握〔C 服薬指導〕

治療上の問題点を抽出・解析し、対応策を患者に提案する。
レベル4

過去の記録、最新の医薬品情報と患者との面談から収集した情報を基に治療上の問題点を把握する。


  レベル3
収集した患者や医薬品に関する情報に基づいた服薬指導を行う。活用できた患者情報を他の薬剤師と共有する。


   レベル2
服薬指導を行うために必要な患者情報を収集する。収集した情報と服薬指導した内容を薬歴等に記入する。


   レベル1

 

   【2】処方箋に基づく調剤 患者・来局者対応  概略評価表

患者・来局者応対、情報提供、教育〔C 服薬指導〕 個々の患者の病状経過を踏まえた薬物療法を分かり易く説明する。治療上の問題点を抽出・解析し、対応策を患者に提案する。


 レベル4
患者の問題点に対する解決策に基づき、患者が理解できるように指導する。病態の変化に応じた処方薬変更の説明と継続的な指導を実践する。


  レベル3
収集した患者や医薬品に関する情報に基づいて、資料を用いて説明し、服薬指導を行う。代表的な疾患に関する治療薬の効果および副作用・特に注意すべき事項等について指導を実践する。


   レベル2
コミュニケーションの基本に基づいた患者応対を行う。服薬指導を行うために必要な患者情報を収集する。

 レベル1

 

 上記の2つの概略評価表が、「服薬指導」に関するものとなります。

2~4週間を目安に、実習生のパフォーマンスレベル(Does)をこの概略評価表を使用して、「評価」をすることになりますので指導薬剤師は、実習生が今どのレベルの能力を習得しているのを把握しておきましょう。

 

 

【28日目】第6週3日目

 

本日のスケジュール(学習目標)       チェックポイントSBOs

 

AM1 P321                                                   SBOs956

    服薬指導(見学・ロールプレイ)

AM2 P321                                                     SBOs953

    服薬指導(見学・ロールプレイ)

PM1 P406~407                                       SBOs990

    カウンター実習

PM2 P406~407                                       SBOs989

    カウンター実習

PM3 P204                                                      SBOs987

    薬歴からの患者情報の把握

 

  

 SBOs956;妊婦・授乳婦、小児、高齢者等特別な配慮が必要な患者への服薬指導に

                   おいて適切な応対ができる。(知識・態度)

 

 「高齢者で注意すること」

  1.合併症に注意

  2.肝機能や腎機能も低下していることがある。

    用法・用量が適正か特に注意が必要です。

  3.服薬指導時には理解力が十分にあるか。

    聴力や視力が低下していることもある。

    薬剤師の説明の声のトーンが十分であるか注意して話をする。

    一度の説明では理解できていない場合があるので毎回、丁寧に説明。

    説明書の文字が小さい場合は、大きく書き直すことも必要。

  4.他科受診、他薬局利用があるか。    

    併用薬、重複投与が無いか常にチェックする。

  5.服用状況を常に把握する。

    嚥下困難や握力の低下で脱PTPが困難で服用出来ていないケースもある。

 

 

 SBOs953;患者・来局者から必要な情報(症状、心理状態、既往歴、生活習慣、

      アレルギー歴、薬歴、副作用等)を適切な手順で聞き取ることができる。

                            (知識・態度)

 SBOs990;基本的な医療用語、略語を適切に使用できる。

 

 医療用語や略語は、医療者同士なら問題なくても実は患者様には伝わらない単語だったりするものもあるので注意が必要です。

 食間などは、今でもよく勘違いされやすいので患者様に説明するときはより具体的な言葉で説明する必要があります。

 患者様に説明するときには、医療用語や略語は使用しないように気を付けることが大切です。

 

 SBOs989;(前)基本的な身体所見を観察・測定し評価できる。(知識・技能)

 

 SBOs987;(前)患者及び種々の情報源(診療録、薬歴・指導記録、看護記録、

                        お薬手帳持参薬等)から、薬物療法に必要な情報を収集できる。

                                                                                                            (技能・態度)

 

 代表的な8疾患の治療薬を含む処方箋の服薬指導に繰り返し参加してもらうことで、患者様からの情報収集を体験してもらうことになります。

 まだ6週目ですので、レベル1のパフォーマンスが出来れば十分ですが、レベル2に到達出来るように指導薬剤師は指導していきます。

 

  レベル1;コミュニケーションの基本に基づいた患者応対を行う。

       服薬指導を行うために必要な患者情報を収集する。

       収集した情報と服薬指導した内容を薬歴等に記入する。

 

    レベル2;収集した患者や医薬品に関する情報に基づいて、資料を用いて説明し、

         服薬指導を行う。代表的な疾患に関する治療薬の効果および副作用・

         特に注意すべき事項等について指導を実践する。

 

    例示【心疾患】(代表的な8疾患)

     ・不整脈

       上室性期外収縮(PAC)

       心室性期外収縮(PVC)

       心房細動(Af)

       心房粗動(AF)

       発作性上室頻拍(PSVT)

       WPW症候群

       心室頻拍(VT)

       心室細動(Vf)

       房室ブロック

       QT延長症候群

     ・洞不全症候群(SSS)

     ・急性および慢性心不全

     ・うっ血性心不全

     ・左室不全

     ・虚血性心疾患

       狭心症

       心筋梗塞

     ・心筋症(拡張型、肥大型)

     ・心筋炎

     ・心膜炎

     ・慢性リウマチ性心疾患

     ・心臓弁膜症

       弁(僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁)の閉塞

     ・閉塞性動脈硬化症(ASO)

     ・心原生ショック

     ・先天性心疾患

       心室中隔欠損症

       心房中隔欠損症

       ファロー四徴症

            など

 

 

 例えば、この中で薬局でもよく目にする疾患としては、

     「心房細動(Af)」

 があげられます。

 

心房細動自体は、生命に直接関わる疾患ではありませんが、動悸、息切れ等のつらい症状も出現し、脳梗塞の発症の原因になるため薬物治療を行うことが一般的です。

頻脈の治療薬として使用される、βブロッカーやカルシウム拮抗薬と血栓を予防する抗凝血薬(ワーファリン、DOAC等)を服用する患者様が処方箋を持参して来局される場面をイメージすると、実習生がどのような情報を聞き出して、それらを基にどのような服薬指導が出来るかを体験していただく事で、どのレベルの能力を有しているか確認できると思います。

 このように、指導薬剤師は「代表的な8疾患」を意識して実習生がどういった経験をすると薬剤師として必要な能力が身につくのかを考えて、場面(方略)を提供する大切な役割を担ってます。