薬局実務実習27日目 チェックポイント
薬局実務実習28日目 チェックポイントと
学習内容
6週目に入っています。
繰り返し、日々の業務に参加・体験をして慣れてきた頃です。
チェックポイントのSBOsは、薬局実務実習ではおよそ150項目ですので、こちらも繰り返し同じものが出てくる頃です。
繰り返し出てくるものは、終わりではなく切り口を変えるなどして実習生のパフォーマンスの「質」を上げていくように指導薬剤師は工夫が必要です。
例えば、同じ接遇業務でも繰り返し行うことで患者様ごとに「オーダーメイド」な対応が出来てくるようになると思いますし、患者様がそれぞれ何を期待して薬局に来局されているかも違うという事を実習生も理解できてくると思います。
我々現場にいる薬剤師は、経験を元に無意識に患者様の満足度が上がるように接遇していますが、実習生はまだ経験がありませんのでその辺りを具体的に教えて経験させることが大切だと思います。
指導薬剤師は、実習生が経験する舞台を整える役割を担っていますので大変ですが、常にどのような環境を与えれば実習生の能力(パフォーマンス)が上がるのかを意識して「方略」を作成していきましょう。
【27日目】第6週2日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P304 SBOs945
処方箋の受付、医療人としての態度、話ができる工夫、
服用上の問題点の把握
AM2 P321 SBOs949
服薬指導(見学・ロールプレイ)
PM1 P406~407 SBOs958
カウンター実習
PM2 P406~407 SBOs948
カウンター実習
PM3 P515 SBOs1035
地域対応実習
SBOs945;(前)妊婦・授乳婦、小児、高齢者等特別な配慮が必要な患者への
服薬指導において適切な応対ができる。(知識・態度)
SBOs949;(前)患者・来局者に使用上の注意が必要な製剤(眼軟膏、坐剤、吸入剤
自己注射剤等)の取扱い方法を説明できる。(技能・態度)
SBOs958;収集した患者情報を薬歴や診療録に適切に記録することができる。
(知識・技能)
SBOs948;(前)代表的な疾患において注意すべき生活指導項目を列挙できる。
SBOs1035;(前)地域の保健・医療・福祉に関わる職種とその連携体制
(地域包括ケア)及びその意義について説明できる。
SBOs948;(前)代表的な疾患において注意すべき生活指導項目を列挙できる。
「代表的な8疾患」に関するSBOsです。
地域の薬剤師会より、具体例が病名として例示されているのこちらにお示しします。
【がん】
・白血病
慢性リンパ性白血病
成人T細胞白血病(ATL) (ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1))
・悪性リンパ腫 (EBV;エプスタインバーウイルス)
・多発性骨髄腫
・骨肉腫
・消化器系の悪性腫瘍
胃がん (90%以上がH.ピロリが原因といわれている)
肝臓がん (肝炎ウイルス)
大腸がん
胆のうがん、胆管癌
膵臓がん
・肺がん
・頭頚部および感覚器の悪性腫瘍
脳腫瘍
喉頭がん
鼻腔・副鼻腔、口腔の悪性腫瘍
・生殖器の悪性腫瘍
前立腺がん
子宮がん (HPV;ヒトパピローマウイルス)
・腎・尿路系の悪性腫瘍
腎臓がん
膀胱がん
・乳がん
・皮膚がん
(*がんの支持療法、緩和ケアを含む)
がんといっても、これだけの疾患名が例示されています。わたくしの薬局でも未経験のものもあるので、薬局でこれらの疾患を抱える患者様が来局されたら実習生にも是非経験してもらいたい事例となります。
生活指導項目としては、「国立がん研究センター・がん情報サービス」のホームページが大変参考になります。
禁煙、節酒、適度な運動、食事制限、体重コントロール、感染予防
この6項目に気を付ければ、がんは半減するようですので実習生にも知識として身に付けてもらうように指導しましょう。
その他の疾患についても、順次、記載していきますのでよろしくお願いします!
SBOs1035;(前)地域の保健・医療・福祉に関わる職種とその連携体制
(地域包括ケア)及びその意義について説明できる。
地域包括ケアシステムについて。
高齢者が住み慣れた自分の地域で、最後まで自分らしい暮らしを持続するために
地域での医療、福祉、介護等のサービスを一体的に提供するシステムを言う。
その仲介的な役割をするのが、「地域包括支援センター」や「ケアマネージャー」であり薬剤師も医療人としてこのシステムの一翼を担う存在となる必要があります。
関わる職種については、以前のブログに掲載しましたので今回は、地域包括ケアシステムの意義について考えてみましょう。
団塊の世代と言われている方々が75歳になる2025年をめどに、高齢者(約800万人)を国主体の介護サービスから、地域の自治体が主体となる介護サービスに移行しその地域の特性を活かした生活支援サービスを受けられるようにすることがその意義となっています。
また、全国的に介護施設が不足していることもあり、在宅でのケアを目指している事が背景にあります。
すなわち、高齢者が施設ではなくて在宅(住み慣れた地域)で、
「医療」「福祉」「介護」と「生活支援サービス」
を一体的に提供されることが、
「地域包括ケアシステム」
という事になります。
薬局・薬剤師は、この中でも「医療」と「生活支援サービス」に関わる職種であり、最近では「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」「健康サポート薬局」というキーワードが示すとおり、地域の中での関わり方がより明確になりつつあります。