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薬局実務実習の進め方2019

薬局実務実習11週間(55日)6日目のスケジュール

薬局実務実習11週間(55日)6日目の

スケジュール

 

 

 実務実習も第2週目に入りました。実習生も少し緊張がほぐれて卸のMSさんや配送の方からの検収体験などをすることで薬局を広い目で見ることができるようになってきたのではないでしょうか。このころには、近くにある病院や診療所にも挨拶に行って実習をしていることを周知してもいい時期だと感じます。

 

 将来的には、疑義紹介や処方箋の差し替えなどの業務にも関わってもらうことになるので、時期を見てDr.や医療機関のスタッフにも顔を覚えてもらうといいでしょう。また薬局側としても、実習生の個性を理解できる頃ですので、個性に合わせた話題や学習環境を整えていく時期となります。

 わたくしは、店舗展開をしている薬局ですので実習生の意欲が高いと判断したら、早い時期に他の薬局にも実習に行ってもらうようにしています。これは、少数の薬剤師だけでなくできるだけたくさんの薬剤師に出会わせることで実習生が多くの刺激や学びができるからです。指導薬剤師とマンツーマンで11週間を過ごすのも悪くはありませんが、同じ薬剤師でもいろいろな考えを持った薬剤師がいることを学ばせることで、実習生が将来どんな薬剤師になりたいかのイメージがより膨らませやすいと思うからです。わたくしは男性ですので、実習生が女性であれば同性の薬剤師の働き方や考え方を見てもらうのも将来の薬剤師像の参考になると思います。

 

【6日目】第2週1日目

 

 本日のスケジュール(学習目標)           チェックポイントSBOs

 

 AM1 P101                   SBOs885

  保健・衛生、QOL向上に係る薬局アイティムの役割

 AM2 P101                   SBOs886

  薬局アイティムの流通にかかわる人たちの仕事

 PM1 P202                   SBOs994

  医薬品の情報収集、添付文書からの情報収集

 PM2 P205                   SBOs998

  緊急安全性情報、DSU等について

 PM3 P306                   SBOs987

  薬歴からの処方内容の妥当性の判断

 

 SBOs885;患者、生活者の視点に立って、様々な薬剤師の業務を見聞し、その体験

      から薬剤師業務の重要性について討議する。(知識・態度)

 

   SBOs886;地域の保健・福祉を見聞した具体的体験に基づきその重要性や課題を討議

                          する。(知識・態度)

   SBOs994;施設内において使用できる医薬品の情報源を把握し、利用することが

                         できる。(知識・技能)

   SBOs998;緊急安全情報、安全性速報、不良品回収、製造中止などの緊急情報を施設

      内で適切に取り扱うことができる。(知識・態度)

 

   SBOs987;(前)患者及び種々の情報源(診察録、薬歴・指導記録、看護記録、

       お薬手帳、持参薬等)から、薬物療法に必要な情報を収集できる。

                             (技能・態度)

 

 旧コアカリの学習目標は、細かい目標のものが多かったのでスケジューリングしやすかったですが、新コアカリは業務の流れに沿ったカリキュラムになっているので大きな分類に変更になっています。一見するとなくなった学習目標もありますが、薬局で実習生に教えたい項目もあるのでここでは参考記録として残してあります。

 

 

 SBOs885;患者、生活者の視点に立って、様々な薬剤師の業務を見聞し、その体験

        から薬剤師業務の重要性について討議する。(知識・態度)

 SBOs886;地域の保健・福祉を見聞した具体的体験に基づきその重要性や課題を討議

                          する。(知識・態度)

 

 こちらのSBOsに関しては、実務実習までに学生が既に習得しているはずのものですが、薬局でも時間があるときに討議するといい項目です。そもそも、実習生がなぜ薬剤師になりたいと思ったのか、そして薬剤師になったら医療人として何がしたいのかを確認し、未来の薬剤師像について討議します。年々医療費が増大して、調剤報酬も年々減少傾向にあり現場では、薬局業界の未来は決して明るいものでは無いと感じているかもしれませんが薬局や薬剤師という職能がなくなってしまう訳ではないので、未来の薬剤師がどのような役割を担うことで地域の医療や健康に貢献できるのかを一緒に考えることが大切です。

 最近、薬剤師によく言われているのが「モノから人へ」とか「薬局から地域へ」というのがキーワードとして見られます。今までは、薬局の中で薬を渡す人というイメージがありますが、これからは地域に薬剤師が出向いて患者様が薬を服用した後にどうなったかを確認して医師に報告、処方提案するのが薬剤師の大事な業務になるという意味のようです。そうなると、薬を間違いなく取り揃えたり、散薬や液剤、軟膏を混合するという業務は重要ではありますが機械や薬剤師でないスタッフに行ってもらう必要性が出てきます。このように、薬剤師の業務を薬という「物」から「人」に寄り添う業務に移行することで医師もさらに多くの患者様を診察できるようになることが今の医療業界に求められていることだと感じています。地域の医療、福祉、介護に薬剤師がどのように関わることが必要で重要なのかを実習生と討議するといいと思います。

 

 SBOs994;施設内において使用できる医薬品の情報源を把握し、利用することが

                         できる。(知識・技能)

   SBOs998;緊急安全情報、安全性速報、不良品回収、製造中止などの緊急情報を施設

               内で適切に取り扱うことができる。(知識・態度)

 

 薬剤師に求められる医薬品の情報収集能力についてのSBOsです。

普段の薬局業務の中で医薬品の情報といえば、やはり「添付文書」が一番最初にイメージされます。新人薬剤師と同様、実習生にも添付文書を読む習慣をつけるように指導しています。添付文書が読めるようになったらそれ以外にどのような情報収集ツールがあるのかを一緒に確認していきます。今はインターネットが普及していますのでパソコンで簡単に自分が欲しい情報が簡単に、素早く入手できます。しかし、逆に知らないという事はその簡単な作業を実施できていないことになるので、薬剤師としては常に調べる癖をつけるように指導したいですね。また、緊急安全性情報等の緊急情報は知っていないと患者様の健康被害に直結する情報なので常に最新の情報に敏感になっておくように指導しましょう。