薬局実務実習11週間(55日)8日目のスケジュール
薬局実務実習11週間(55日)8日目の
スケジュール
計数調剤という学習目標が何回か出てきましたが、実習生も薬局の薬の配置を覚えてスムーズに取りそろえることができるようになってくる頃ですね。
真面目な実習生が多いので、慣れている薬剤師がうっかり規格を取り間違えることがある中、しっかり規格まで確認して間違えずに取りそろえるところを見るとすごいなと感心することもあります。
わたくしはよく実習生に「何を考えながら取りそろえている?」という質問をします。多くの実習生は、「間違えないように意識して取りそろえるようにしています。」と返事をします。それはそれで大変素晴らしいことですが、わたくしは次のステップアップとして取りそろえることが「作業」にならないように意識することをお勧めしています。正確に「取りそろえる」という「作業」であれば薬剤師でなくてもできると思います。やはり薬剤師であればその取りそろえた医薬品を患者様が安全に服用できることを意識しながら取りそろえるようになってほしいと思っています。すなわち、「調剤」をしながら一方で「監査」をすることを意識するように実習生には教育しています。
ちなみに、このブログのスケジュールですが、左側の学習目標は旧コアカリのスケジュールに沿った学習目標ですので、それぞれが「知識」「技能」「態度」に分かれた学習目標となりますので細かい目標となっています。そして、右側に設定した「チェックポイントSBOs」が新コアカリで使用する目標となっています。新コアカリでは、学習者の目標を一連の「パフォーマンス」で表すことになったので大まかな目標になっています。また、大まかな設定になっているので、なくなってしまった学習目標もありますので相関性が薄いものもあります。この辺りは、施設ごとにアレンジしてスケジューリングしていただければと思います。旧コアカリで実務実習を受け入れたことが無い薬局であれば、左側の学習目標は参考程度にしていただければと思います。一日の指導内容がイメージしやすいと思って残してあります。
11週間が終了するときに、すべてのチェックポイントに一回以上は触れられるようにスケジュールしてあります。
【8日目】第2週3日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P304 SBOs909
処方箋の受け付け、医療人としての態度、
話ができる工夫、服用上の問題点の把握
AM2 P303 SBOs893
初回・再来局患者情報、収集内容の説明
PM1 P102 SBOs1056、965
薬局製剤概説
PM2 P310 SBOs910
計数調剤
PM3 P401 SBOs912
かかりつけ薬剤師の役割・患者と接する
SBOs909;来局者の調剤に対して、処方箋の受付から薬剤の交付に至るまで継続して
関わることができる。(知識・態度)
SBOs893;薬学的管理を実施する際に、インフォームド・コンセントを
得ることができる。(態度)
SBOs1056;選択した薬局製剤(漢方製剤含む)、要指導医薬品、一般用医薬品、
健康食品、サプリメント、医療機器等の使用方法や注意点などを来局者
に適切に分かりやすく説明できる。(知識・態度)
SBOs965;(前)薬局製剤、漢方製剤について概説できる。
SBOs910;(前)調剤業務に関わる事項(処方箋、調剤録、疑義照会等)の意義や
取扱いを法的根拠に基づいて説明できる。
SBOs912;法的根拠に基づき、一連の調剤業務を適正に実施する。(技能・態度)
保険調剤薬局は、「健康保険法」に基づいて保険調剤業務を行う薬局ですので様々な関連法規を遵守しなければなりません。全てを詳細に記憶しておく必要はありませんがどの法律に関連するのかを知っておく必要はあります。
医薬品及び医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)
薬剤師法
などがあります。
また保険請求業務に関連して、
健康保険法
介護保険法
高齢者の医療の確保に関わる法律
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)
などがあります。
その他として、
医療法
なども関連法規として記憶しておかなければなりません。
SBOs1056;選択した薬局製剤(漢方製剤含む)、要指導医薬品、一般用医薬品、
健康食品、サプリメント、医療機器等の使用方法や注意点などを来局者
に適切に分かりやすく説明できる。(知識・態度)
SBOs965;(前)薬局製剤、漢方製剤について概説できる。
薬局製剤に関しては、多くの薬局で取り扱いが無いと思いますので何を指導すればいいかわからないところです。わたくしの薬局も、系列店を含めて経験がないのでせめて体験だけはしてもらおうと大手のチェーン薬局さんから「薬局製剤実習キッド」なるものを購入して(2000円程度)実習生と一緒に調剤する程度に留まっています。地域の薬剤師会が実務実習に積極的に介入している地域もありますので、地域薬剤師会と連絡を取り合って合同で研修している地域であればそちらで実施していただくのもいいと思いますので確認してみましょう。