薬局実務実習11週間(55日)4日目のスケジュール
薬局実務実習11週間(55日)4日目のスケジュール
4日目になります。実習生も現場の薬局の雰囲気になじんで来ましたでしょうか。
11週間の大きな目標としては、「学生があたかもずっと以前からいたような存在になる」のが一つの目標です。
また本日の学習目標は、
(2)処方箋に基づく調剤
に関するSBOsがたくさん出てきます。
この項目のGIO(一般目標)は、
処方箋に基づいた調剤業務を安全で適正に実施するために、医薬品の供給と
管理を含む基本的調剤業務を習得する
となっています。
代表的な8疾患を意識して、まずは処方されている薬剤の量が2~3種類の少ない処方箋で調剤、監査、服薬指導(見学)という一連の調剤業務の流れを繰り返し参加・体験して学んでいきましょう。
また、病院や薬局などの医療機関には、「医療安全管理指針」や「医薬品の安全使用のための業務手順書」の設置が義務付けられていますので実習生にも提示をし、遵守して業務にあたるように説明します。
【4日目】第1週4日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P202 SBOs914
医薬品の情報収集・添付文書からの情報収集
AM2 P329 SBOs926、933
調剤過誤防止対策・類似医薬品
PM1 P310 SBOs934、932
計数調剤
PM2 P401 SBOs944、952
かかりつけ薬剤師の役割・患者と接する
PM3 P406~407 SBOs945
カウンター実習
SBOs914;(前)代表的な疾患に使用される医薬品について効能効果、用法用量
警告・禁忌、副作用、相互作用を列挙できる。
SBOs926;(前)主な医薬品の成分(一般名)、商標名、剤型、規格等を列挙できる
SBOs933;主な医薬品の一般名、剤型、規格から該当する医薬品を選択できる
(技能)
SBOs934;適切な手順で後発医薬品を選択できる(知識・技能)
SBOs932;(前)処方箋に基づき調剤された薬剤の監査ができる。(知識・技能)
SBOs944;(前)適切な態度で、患者・来局者と応対できる。(態度)
SBOs952;適切な態度で、患者・来局者と応対できる。(態度)
SBOs945;(前)妊婦・授乳婦、小児、高齢者などへの応対や服薬指導において
配慮すべき事項を具体的に列挙できる。
来たるべく服薬指導への参加・体験に向けて薬学的知識の習得(インプット)を同時進行していきます。
SBOs914;(前)代表的な疾患に使用される医薬品について効能効果、用法用量
警告・禁忌、副作用、相互作用を列挙できる。
医薬品の知識に関しては一定のレベルを習得していますが、現場で服薬指導に行けるレベルの知識としてはまだまだ不十分と感じることが多いので、1日2~3品目を目安に添付文書を渡して「患者様から何を聞くか?」を想像しながら情報をインプットしてもらいます。そして、実際に実習生から口頭で聞きたいことを列挙してもらいます(アウトプット)。
個人的には、1剤に対して5項目くらい列挙できれば合格ですが、2~3項目しか列挙できないことが多いです。
「適正使用」と「副作用のモニタリング」をイメージし、ヒントを提示しながら合格ラインまでインプット、アウトプットを繰り返します。
SBOs926;(前)主な医薬品の成分(一般名)、商標名、剤型、規格等を列挙できる
SBOs933;主な医薬品の一般名、剤型、規格から該当する医薬品を選択できる
(技能)
大学でも学んできた事を今度は「本物」の現場で体験するSBOsです。薬局によって医薬品の配列は様々です。薬効別になっていたり五十音順になっていたり、調剤過誤が起こりにくいような工夫もしながら医薬品が配列されていると思いますので、その意味も説明、理解してもらいながら実務実習を進めてい行きます。大学の実務実習事前課題であるOSCEに参加されたことがある指導薬剤師の方ならご存じだと思いますが、6年制の薬学生は規格まで声出し確認するように学んできていますのでかなり正確に医薬品を取りそろえることができるといった印象をわたくしは持っています。
まだ1週目なのでまずは処方箋通りに間違えずに正確に取りそろえることを目標にして繰り返し調剤業務をこなしていくように心がけましょう。
SBOs944;(前)適切な態度で、患者・来局者と応対できる。(態度)
SBOs952;適切な態度で、患者・来局者と応対できる。(態度)
旧コアカリでは「カウンターで学ぶ」という項目がありましたが、新コアカリでは項目としてはなくなっています。しかし、患者様と接する場面がいきなり服薬指導だとハードルが高いので、まずは受け付け業務で患者様・来局者と接する機会を作るのが妥当だと思います。あいさつや、笑顔、声の大きさ・トーンなどに気を付けて気持ちのいい態度で接するように指導します。
実務実習では、繰り返し学ぶことにより質の高い学習効果が得られることが多いのでSBOsも同じものが何度も出てきます。項目ごとに前回は何を学んだかを振り返りながら新しいことに挑戦していくと良いでしょう。その意味では、日々のレポート(リフレクションペーパー)は、記録として活用できますので欠かさず記録してもらうようにしましょう。
わたくしが指導薬剤師を担当しているときは、実習生の負担を少しでも減らせるように終了の1時間前や、薬局のOffTime(門前医療機関の昼休み。来局患者数が少ないと予想される時間帯)にこの振り返りレポートを書く時間にあてています。同時に、指導薬剤師も薬歴記載や日常業務がたくさんありますので、その1時間でいろいろな業務を消化する時間となり効率的です。実習生はいい意味で、指導薬剤師に高い割合で依存していますので手取り足取り教育することになりますが、指導薬剤師も自分の時間を作ることが必要です。課題を出したりすることで実習生が一人になる時間を作ることで、指導薬剤師も効率的な時間を生み出しましょう。
5日目に続く。。。