薬局実務実習31日目 チェックポイント
薬局実務実習31日目 チェックポイントと学習内容
31日目になります。
【31日目】第7週1日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P404 SBOs1053
AM2 P304 SBOs1020
処方箋の受付、医療人としての態度、話ができる工夫、
服用上の問題点の把握
PM1 P317 SBOs1011
服薬指導の基礎、薬歴の意義・記載項目
PM2 P405 SBOs1010
顧客モニタリング
PM3 P502 SBOs1043
在宅(できれば訪問)
SBOs1053;薬局製剤(漢方製剤含む)、要指導医薬品・一般用医薬品、健康食品、
サプリメント、医療機器等をリスクに応じ適切に取り扱い管理できる。
(技能・態度)
OTCに関して、薬機法の改定に伴い薬剤師しか販売できないもの、登録販売者でも販売できるものがありますので実習生にもその理解を深めてもらいます。
【医薬品の分類と販売方法について】
・医療用医薬品(処方箋医薬品) 対面販売 薬剤師が販売
・要指導医薬品 対面販売 薬剤師が販売
・第1類医薬品 ネット販売可 薬剤師が販売
(薬局製剤も含む(劇薬指定品を除く))
・第2類医薬品 ネット販売可 登録販売者も販売
・第3類医薬品 ネット販売可 登録販売者も販売
第1類医薬品までは、情報提供義務がある。
また、情報提供を行った薬剤師の氏名も伝達する事。
【情報提供時の書面記載事項】
① 名称
② 有効成分の名称・分量
③ 用法・用量
④ 効能・効果
⑤ 使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項
⑥ 販売する薬剤師・登録販売者が、適正な使用のため必要と判断する事項
(形態は、書面に限らず、タブレット端末等に表示して示すことでも可。)
【情報提供時の確認事項】
① 年齢
② 他の薬剤・医薬品の使用状況
③ 性別
④ 症状、医療機関の受診の有無
⑤ 現にかかっている疾病名
⑥ 妊娠の有無、妊娠週数
⑦ 授乳の有無
⑧ 当該薬剤・医薬品の購入や使用の経験
⑨ 薬剤・医薬品の副作用の経験やその内容
⑩ その他情報の提供及び指導を行うために確認することが必要な事項
要指導医薬品に関しては、使用者本人への販売が原則であり、使用者以外のものに正当な理由なく、販売してはならない。
薬機法第 36 条の5第2項に規定する「正当な理由」とは、次に掲げる場合によるものであり、この場合においては、要指導医薬品を使用しようとする者以外の者に対して販売を行っても差し支えない。
① 大規模災害時等において、本人が薬局又は店舗を訪れることができない場合であって、
医師等の受診が困難、かつ、代替する医薬品が供給されない場合
薬局において、「正当な理由」となり得るのは上記の場合のみが想定されるので、やはり要指導医薬品は使用者本人以外には販売できないと考えたほうが良さそうです。
【販売記録の作成】
要指導医薬品を販売した場合は、薬機法施行規則第14条または第 146 条第2項の規定により、品名、数量、販売の日時等を書面に記載し、2年間保存しなければならない。 また、薬機法施行規則第14条または第 146 条第5項の規定により、当該要指導医薬品を購入し、又は譲り受けた者の連絡先を書面に記載し、これを保存するよう努めなければならない。
**薬剤師の氏名、購入者が情報提供等の内容を理解した旨の確認をして記録を
作成する必要があります。
また、購入者の連絡先は、努力義務にとどまっています。
【医薬品の陳列に関するルール】
・分類に応じてそれぞれ混在することが無いように陳列する。
「薬効別」に陳列し、さらに分類別に混在しないように注意する。
・要指導医薬品、第1類医薬品は来局者が直接手に取れないところに陳列する。
来局者が入れないカウンターや、手に取れないように鍵をかけたケースに
陳列する。
・指定第2類医薬品の陳列
専門家が在籍する場所の近く(説明カウンターから7m以内)に陳列して
説明が受けやすいようにする。
SBOs1020;薬物治療の効果について、患者の症状や検査所見などから評価できる。
最近では、血液検査値が添付された処方箋が一般的になりつつあるので、薬剤師も検査所見を見ながら薬物治療が有効であるか、継続服用が妥当であるのかを確認しやすくなっています。しかし、たとえ検査所見が載っていない処方箋であっても必要なデータは定期的に患者様から直接聴取して薬物治療の妥当性を判断するのが薬局薬剤師の責務と言えます。
わたくしの薬局の門前医療機関からは、定期的な検査が必要なのに血液検査が更新されていない患者様がいたら連絡くださいと言われていますので、とても気が引き締まる思いです。
SBOs1011;処方提案に際して、医薬品の経済性等を考慮して、
適切な後発医薬品を選択できる。
後発医薬品への変更に関する患者様への説明は、実習生にもなるべく多く体験してもらっています。後発医薬品を知っている患者様であれば説明も簡単ですが、聞いたことはあるけどあまり知らない患者様や、全く知らないので一から説明が必要な患者様までそれぞれ説明の難易度が違いますので、どの患者様にも十分理解がしてもらえるような説明が出来るようになるまで繰り返し体験してもらいます。
患者様にとって後発医医薬品に変更する大きなメリットの一つに、「経済性」があげられます。自己負担金が安くなることも勿論ですが、国民医療費の節約といったグローバルな観点からも丁寧に説明をして安心して後発医薬品を使用していただけるように促します。
また、先発品と後発品の有効性が同等であることの根拠となる「生物学的同等性比較試験」のデータを患者様に提示するなどして安心して変更していただけるような説明も実習生自らが出来るようになるために、実習生に資料を取り寄せて作成してもらうこともあります。
生物学的同等性とは、例えば、経口剤(錠剤や散剤など)は、服用後、
崩壊→溶出→吸収→分布→代謝→排泄という過程をたどります。
有効成分が同じ医薬品(先発品とジェネリック医薬品)間の場合、生物学的に同等であるとは、“体循環血中に入る薬物の速度と量”が同等である、すなわち吸収される“薬物量と薬物濃度が同等である”ことを示しています。
薬物量としてのAUC(薬物血中濃度-時間下曲線面積)と薬物濃度としてのCmax(最高血中濃度)が同等である場合、両製剤は“生物学的に同等である”とされており、製薬会社は承認申請資料においてそのデータを厚生労働省に提出し、生物学的に同等であると認められた医薬品のみが販売されています。
SBOs1010;アドヒアランス向上のために、処方変更、
調剤や用法の工夫が提案できる。
(知識・態度)
SBOs1043;地域における介護サービスや介護支援専門員等の活動と
薬剤師との関わりを体験する。(知識・態度)