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薬局実務実習の進め方2019

39日目 薬局実務実習と国家試験

39日目 第8週4日目

 

 

チェックポイントSBOs

 

SBOs954;医師の治療方針を理解した上で、患者への適切な服薬指導を実施する。

                            (知識・態度)

 

 【第100回薬剤師国家試験】

 問 81

 EBM の実践手順で、 ⊡ に入る適当な語句はどれか。 1つ選べ。


 患者の問題の定式化 → 情報の収集 → ⊡  → 患者への適用


 1  患者満足度の推察

 2  情報の批判的吟味

 3  治療アウトカムの設定

 4  医療者の臨床経験

 5  動物実験による確認

 

 

  正解;2

     EBMの実践手順の確認。

     EBMとは、Evidence Based Medicineの略。

     科学的根拠に基づいた医療(薬物治療)を意味する。

 

 問254(薬理)

  64歳男性。不安定狭心症のため、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)
 を受けた。その後の治療薬として新たに以下の薬剤が処方された。


(処方1)

    アスピリン腸溶錠 100mg 1回1錠(1日1錠)
    1日1回 朝食後 14日分
(処方2)
    チクロピジン塩酸塩錠 100mg 1回1錠(1日2錠)
    1日2回 朝夕食後 14日分
(処方3)
    ロスバスタチンカルシウム錠 2.5mg 1回1錠(1日1錠)
    1日1回 朝食後 14日分


問 254(薬理)
処方された薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。


 1  処方された用量のアスピリンは、血管内皮細胞のプロスタグランジン I₂生成

   よりも、血小板のトロンボキサン A₂生成をより強く阻害する。


 2  アスピリンは、ロスバスタチンによる筋肉痛を緩和する目的で処方されている。


 3  チクロピジンの活性代謝物が遮断する ADPの P2Y₁₂受容体は、Gqタンパク

   質共役型受容体である。
 4  チクロピジンの副作用として、血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症及び

   重篤な肝障害がある。
 5  ロスバスタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)

   の生合成を阻害し、血清中の低比重リポタンパク質(LDL)量を減少させる。

 

 

  正解;1 4

     3 チクロピジンの活性代謝物が遮断するADPのP2Y12受容体は、

       Giタンパク質共役型受容体である。

     5 HMG₋CoA還元酵素を阻害する。

 


問 255(実務)
 この患者への説明および指導の内容として、適切なのはどれか。 2つ選べ。

 


 1  アスピリン腸溶錠は、術後の経過が良ければ、一週間程度で中止します。
 2  チクロピジン塩酸塩錠には、狭くなった血管を拡げる作用があります。
 3  定期的に血液検査を必要とする薬剤が処方されていますので、2週間後

   に受診してください。
 4  筋肉痛や脱力感が起こることがありますが、一時的なものなので心配

   ありません。
 5  出血しやすくなるので、歯肉や鼻などからの出血があれば受診してください。

 

 

   正解;3 5

 

 

 

 

SBOs992;患者の身体所見を薬学的管理に活かすことができる。(知識・態度)

 

 【第102回薬剤師国家試験】

   38歳女性。肺結核と腰痛に対して以下の薬剤を服用していた。今回、同じ
薬剤が処方されたが、最近、「新聞が読みにくくなった」などの視力障害を訴えた。


 (処方1)
  リファンピシンカプセル 150mg 1回3カプセル(1日3カプセル)
  1日1回 朝食前 14日分


 (処方2)
  イソニアジド錠 100mg 1回3錠(1日3錠)
  ピラジナミド原末 1回 1.5g(1日 1.5g)
  エタンブトール塩酸塩錠 250mg 1回3錠(1日3錠)
  1日1回 朝食後 14日分


 (処方3)
  ロキソプロフェン Na錠 60mg 1回1錠
  腰痛時 5回分(5錠)


 問 288(実務)
  この視力障害との関連性が疑われる薬物はどれか。 2つ選べ。


  1  リファンピシン
  2  イソニアジド
  3  ピラジナミド
  4  エタンブトール塩酸塩
  5  ロキソプロフェン Na

 

 

    正解;1 2 4

       3つ該当のため、解なし問題となる。

       4 エタンブトールによる視力障害は発見が遅れ高度に進行すると

         非可逆的になることがあるため、視力検査等を定期的に行い、

         異常が認められた場合には投与を中止することとされている。

 

 


  問 289(病態・薬物治療)
  本症例の病態と薬物治療に関する説明として、正しいのはどれか。 2つ選べ。

 


  1  結核菌は接触感染によって伝搬する。
  2  血痰の有無により、他の呼吸器感染症と鑑別できる。
  3  飲み忘れなど不規則な抗結核薬の服用は、結核菌が薬剤耐性を獲得

    する原因となる。

  4  視力障害の原因薬は、いったん中止し、視力が回復したら再開する。
  5  唾液や涙液が橙赤色になることがある。

 

 

   正解;3 5

      1 飛沫感染によって伝搬する。

      2 血痰は、肺がんなどたの呼吸器疾患でもある症状なので

        鑑別診断にはならない。肺結核を鑑別するためには、

        起因菌培養検査は必須である。

 

 

SBOs1019;臨床検査値の変化と使用医薬品の関連性を説明できる。

 

 【第101回薬剤師国家試験】

  60歳女性。身長 150cm、体重 45kg。めまい、ふらつき、冷汗、軽度の意識障害

 を主訴として受診し、入院することとなった。入院時に病室を訪問した薬剤師が

 持参薬を確認したところ、下記の薬剤を日ごろ欠かさず服用していたことが分かっ

 た。

  入院時の血清クレアチニン値 1.5mg/dL、BUN 29mg/dL、AST 25IU/L、

  ALT 30IU/L、PT-INR 2.0、空腹時血糖値 40mg/dL

  であった。


持参薬の内容
(薬袋1)
  シベンゾリンコハク酸塩錠 100mg 1回1錠(1日3錠)
  ベラパミル塩酸塩錠 40mg 1回1錠(1日3錠)
  1日3回 朝昼夕食後
(薬袋2)
  ワルファリン K錠1mg 1回2錠(1日2錠)
  1日1回 朝食後
(薬袋3)
  ロキソプロフェン Na錠 60mg 1回1錠(1日3錠)
  テプレノンカプセル 50mg 1回1カプセル(1日3カプセル)
  1日3回 朝昼夕食後

 


 問 200(実務)
 薬剤師はこの女性の主訴の原因として、服用中の薬物の副作用を疑った。最も可
 能性の高い薬物はどれか。1 つ選べ。


  1  シベンゾリンコハク酸
  2  ベラパミル塩酸塩
  3  ワルファリンカリウム
  4  ロキソプロフェンナトリウム
  5  テプレノン

 

 

   正解;1

      シベンゾリンコハク酸塩(シベノール)はNaチャネル遮断抗不整脈

     (Ⅰ群抗不整脈薬)です。頻脈性不整脈の治療に用いられますが、注意する

      副作用にインスリン分泌促進作用による低血糖があります。

 


 問 201(物理・化学・生物)
 患者に低血糖症状が疑われたため、血糖値を検査することになった。血中グル
コースの測定法に関する記述として正しいのはどれか。 2つ選べ。


 1  市販の簡易血糖測定器に用いられる酵素には、グルコースオキシダーゼや

   グルコースヒドロゲナーゼなどがある。
 2  電極法では、グルコースから酵素反応により生じる過酸化水素をガラス電極

   で測定する。
 3  屈折率を利用した糖度計によって測定する。
 4  簡易カラムにより他の単糖とグルコースを分離し、エチジウムブロマイドに

   より蛍光測定する。
 5  グルコース酵素及び NADP⁺を反応させ、生じた NADPH を吸光度法に

   より測定する。

 

 

  正解;1 5

     グルコースオキシダーゼ(GDO)、グルコースヒドロゲナーゼGDH

     2 GOD電極法では、採取した血液中のグルコースがGODによりグルコ

       ノラクトンへと酸化される際に生じる過酸化水素過酸化水素電極

       測定する。

     3 糖度計は、果物などの糖度を測定する機器である。

     4 エチジウムブロマイドは、DNAの蛍光検出試薬として用いられる。

 

 

 

 【第102回薬剤師国家試験】

 

 70歳男性。脳腫瘍の疑いがあり、ガドペンテト酸ジメグルミン注射液を造影剤

 として用いて MRI検査を行うこととなった。男性は、2型糖尿病と高血圧症と

 診断され、以下の薬を1年間継続的に服用している。


   ロサルタン K錠 50mg 1回1錠(1日1錠) 朝食後
   メトホルミン塩酸塩錠 250mg 1回1錠(1日2錠) 朝夕食後
   シタグリプチンリン酸塩水和物錠 50mg 1回1錠(1日1錠) 朝食後


 MRI検査日1ヶ月前の検査値
  血圧 154/86mmHg ALT 12IU/L AST 25IU/L γ-GTP 27IU/L
  eGFR 52mL/min/1.73m²
  HbA1c6.7%


 MRI検査日の検査値
  血圧 143/83mmHg ALT 34IU/L AST 34IU/L γ-GTP 43IU/L
  eGFR 27mL/min/1.73m²
  HbA1c7.0%


  注)ガドペンテト酸ジメグルミン注射液の有効成分は、ガドペンテト酸メグルミ
    ンである。


 問 196(実務)
 この男性の検査は中止になった。その理由として考えられるのはどれか。

 1つ選べ。


  1 肝機能が低下しているので、ガドペンテト酸を代謝できない。
  2 糖尿病が悪化し、患者の全身状態が悪い。
  3 腎機能が低下しているので、腎性全身性線維症の発現リスクが高い。
  4 ガドペンテト酸メグルミンとメトホルミン塩酸塩により、乳酸アシドーシスが
   引き起こされる。
  5 ガドペンテト酸メグルミンがロサルタンカリウムの作用を阻害する。

 

 

  正解;3

 

 


 問 197(物理・化学・生物)
 MRI及び MRI造影剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1つ選べ。


  1  MRIでは放射線を使用しないが、X線による被曝を受ける。
  2  MRIでは、体内の水などの水素原子核の緩和時間の差を利用している。
  3  MRIでは、ドップラー効果により血流速度を測定することができる。
  4  ガドリニウム造影剤に含まれる Gd³⁺イオンは、反磁性を示す。
  5  硫酸バリウムMRI造影剤として用いられる。

 

 

   正解;2

 

 

SBOs1054;来局者から収集した情報や身体所見などに基づき、来局者の病状(疾患、

      重症度等)や体調を推測できる。(知識・態度)

 

 【第100回薬剤師国家試験】


 68歳女性。胃全摘出術の既往がある。半年前に意識障害を起こし入院中。
21週前から経腸栄養療法を開始し、3日前の検査の結果、白血球数減少と貧血を
認めた。出血の傾向はなく、骨髄穿刺の結果からは骨髄抑制は認められなかった。


 検査値:白血球数:3.0× 10³/μL、赤血球数:2.86× 10⁶/μL、

 ヘモグロビン:8.4g/dL、ヘマトクリット:25.1%、

 血小板数:18.7× 10⁴/μL、総タンパク質:7.8g/dL、

 アルブミン:4.2g/dL、トランスフェリン:275mg/dL


 問 226(実務)
 この患者の栄養管理に対する薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。

 1つ選べ。


 1  タンパク質・エネルギー低栄養状態に関連した貧血の可能性について医師に伝
   えた。
 2  n-3系脂肪酸を多く含む経腸栄養剤への変更を医師に提案した。
 3  血中の銅濃度を測定するよう医師に提案した。
 4  鉄剤の追加処方を医師に提案した。
 5  過去6ヶ月間の体重変動を確認した。

 

  正解; 3

    1 総タンパク質基準値:約6.5〜8.0 g/dL、

      アルブミン基準値:約4.0〜5.0 g/dL 
    2 銅欠乏による貧血に対して、n−3系脂肪酸を多く含む経腸栄養剤を投与

      しても症状の改善を期待することはできない。

    3 経腸栄養療法の患者は、微粒元素が欠乏することがある。

    4 トランスフェリン基準値:200〜340 mg/dL
    5 患者は低栄養状態でないので、過去6ヶ月間の体重変動を確認する

      必要はない。

 

 


 問 227(衛生)
 栄養素及び栄養状態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

 


 1  タンパク質・エネルギー低栄養状態が長期に続くと、体内の窒素平衡は正

   となる。
 2  n-3系脂肪酸は小腸からの吸収の際、胆汁酸とミセルを形成しない。
 3  銅の小腸からの吸収は、過剰の亜鉛の摂取により阻害される。
 4  非ヘム鉄の小腸からの吸収は、ビタミンCにより促進される。
 5  Bodymass index(BMI)が 22の場合、「やせ」と判定される。

 

 

  正解;3 4
   1 摂取した食事中の窒素量と排泄された窒素量が等しい状態のことを、

    窒素平衡にあるという。タンパク質・エネルギー低栄養状態が長期間

    続くと、摂取した食事中の窒素に比べ、排泄される窒素量が多くなるため、

    体内の窒素平衡は負となる。


   2 n-3系脂肪酸は、長鎖脂肪酸であり、胆汁酸とミセルを形成し、

     小腸から吸収される。中鎖及び短鎖脂肪酸は胆汁酸とミセル形成せずに

     そのまま小腸から吸収される。
   3 亜鉛と銅は同一の担体を利用して輸送されるため、過剰の亜鉛を摂取

     すると、銅を輸送する担体が競合的に阻害される。
   4 非ヘム鉄はFe2⁺となり、小腸から吸収される。非ヘム鉄に含まれる

     Fe3⁺は、ビタミンCによりFe2⁺に還元されるため、非ヘム鉄の小腸から

     の吸収は、ビタミンCにより促進される。
   5 BMIが22は標準。
              BMI:18.5以下 やせ
              BMI:18.5〜25 標準体重
              BMI:25以上 肥満