薬局実務実習11週間(55日)2日目のスケジュール
薬局実務実習11週間(55日)2日目のスケジュール
薬局実務実習の2日目のスケジュールを考えていきたいと思います。1日目は、オリエンテーションなどもあり、盛りだくさんの内容になってしまいました。チェックポイント(SBOs)は156項目ありますが、55日で割ると1日3個チェックできれば実習中に全てクリアできます。
最初は覚えることが多いのでたくさん出てきますが、実習が進むにつれて学生もできることが多くなってくるのでだんだんチェックポイントは減っていく流れになっています。しかし、1回では身につかないことが多いと思いますので何回も同じSBOsが出てきますので繰り返し体験させることでその「質」が上がっていくように指導するといいと思います。
そのパフォーマンスの「質」を2~4週間に1回を目安に、「概略評価」表で確認し、階段を昇っていくように「質」が上がっていくように実習を進めていけるといいと思います。概略評価表については、日本薬剤師会などが例示をしていますので今後こちらにも記載していきます。
【2日目】第1週2日目
本日のスケジュール(学習目標) チェックポイントSBOs
AM1 P104 SBOs944、952
検収体験
AM2 P301 SBOs913
PM1 P104 SBOs959、960、968
在庫管理
PM2 P309 SBOs925
薬袋への記載事項
PM3 P310 SBOs927、935
計数調剤
SBOs944;(前)適切な態度で、患者・来局者と応対できる(態度)。
SBOs952;患者・来局者に合わせて適切な応対ができる(態度)。
SBOs913;保険薬局として必要な条件や設備等を具体的に関連付けて説明できる。
SBOs959;(前)医薬品管理の意義と必要性について説明できる。
SBOs960;(前)医薬品管理の流れを概説できる。
SBOs968;医薬品の適切な在庫管理を実施する(知識・技能)。
SBOs925;(前)薬袋、薬札(ラベル)に記載すべき事項を適切に記入できる
(技能)。
SBOs927;(前)処方箋に従って、計数・計量調剤ができる(技能)。
SBOs935;処方箋に従って、計数・計量調剤ができる(技能)。
旧コアカリであった学習目標の「検収体験」という様な、より具体的な目標はなくなりました。のちに出てくる学習目標の「カウンター実習」などもなくなってしまい、
SBOs952;患者・来局者に合わせて適切な応対ができる(態度)
というようなおおまかな学習目標に変更になっています。実習生に参加・体験してもらいたい事は同じなので、指導薬剤師は現場では具体的な内容を提示して積極的に実習生に体験させていくといいでしょう。
さて、現場で行う実務実習は、常に「本物に触れる」ことを意識して取り組んでもらいたいです。学生は、実務実習に来るまでにも大学でいろいろ学んで現場にやってきますが、大学では「Shows How」、すなわち安全に試してみるレベルまでしか学べません。「Does」すなわち、本物のようにできるレベルは本物に触れることでのみ実現できますので、患者様だけでなく薬局に出入りする関連業者の方とも触れ合うことは実習生にとっては貴重な体験となることを意識しましょう。
SBOsの(前)と記載があるものは、大学ですでに習得している項目です。しかしながら、大学で習得しているからといっても現場で同じようにパフォーマンスができるかは別ですので、復習の意味も込めて再度、指導薬剤師が確認してもいいと思います。本物の現場で本物に触れながら実践することで、より「質」の高いパフォーマンスに変わっていくような投げかけをできるといいですね。
また、薬局には様々な来局者がいます。患者様、患者様のご家族、医薬品を納品する業者様、MR,MS,他の医療機関の方、押し売り(笑)などなど。
大切なのは、薬局のスタッフからすると来局される方々はすべて「お客様」です。忙しい時間帯にMRさんやMSさんが来るとついついイライラしてしまうかもしれませんが、どの方も同じような丁寧で親切な対応を心がけるように指導しましょう。笑顔、気持ちがいい声のトーンで的確な応対ができるように何回もトライしていただきます。どのように接するのがベストなのか、最初は指導薬剤師が手本を見せると実習生もわかりやすいですね。来局者のニーズがそれぞれ違いますので、相手のニーズを素早く、的確に把握してそれに合わせた対応がスムーズにできるようになれば高い評価となることを指導していきます。
SBOs913;保険薬局として必要な条件や設備等を具体的に関連付けて説明できる。
薬局開設許可証を申請するときに必要な条件や設備を知っていますか?
わたくしも過去に新規薬局の立ち上げに管理薬剤師として立ち会ったことがあります。
提出する書類は以下に示すものです。
- 薬局開設許可申請書
- 構造設備の概要、設備器具一覧表
- 店舗に関する図面(平面図、敷地内の建物配置図、所在地略図)
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 組織規定図(法人の場合)
- 診断書(*診断対象は、個人;申請者 法人;業務担当役員)
- 使用関係を証する書類
- 薬剤師免許証・販売従事登録証の原本の提示又は、原本証明した写し
- 体制省令で求められる 指針及び業務手順書
- 体制省令で求められる 勤務表(薬剤師・登録販売者勤務予定算出表)
- 販売・授与する医薬品の区分、1日平均取扱い処方箋枚数、併せ行うその他の業務の種類、管理者・その他の薬剤師又は登録販売者の氏名・住所・週当たり勤務時間数・免許登録番号・登録年月日を記載した書類
- 特定販売(ネット販売等)を行う場合は、別紙「特定販売を行っている場合」の一覧に記載した事項
検査当日は、調剤室内の照明(調剤台120ルクス以上、医薬品を陳列・交付する場所60ルクス以上)、換気、給排水設備、調剤棚、鍵のかかる設備、冷暗所、ガラス面の大きさ、店舗面積、別表の器具・書籍等を確認します。
器具に関しては、最近の保険調剤薬局ではあまり使用しないような器具の所有が医薬品医療機器等法(薬機法)の薬局等構造設備規則により定められています。
液量器(20cc及び200ccのもの)
温度計(100度)
水浴
調剤台
軟膏板
乳鉢(散剤用のもの)及び乳棒
はかり(感量10mgのもの及び感量100mgのもの)
ビーカー
ふるい器
へら(金属製のもの及び角製又はこれに類するもの)
メスフラスコ及びメスシリンダー
薬匙(やくさじ)(金属製のもの及び角製又はこれに類するもの)
ロート及びロート台
調剤に必要な書籍(磁気ディスクをもって調整するものを含む)
すべてを記憶する必要はありませんが、参考までに。
では、3日目も楽しい実務実習を目指しましょう!